このページについて
2027年度の新試験制度では、現行の応用情報技術者試験と高度試験が大括り化・再編され、「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」としてマネジメント/データ・AI/システムの3区分が新設されます。2026年6月30日には、このうちマネジメント試験とシステム試験の科目Bシラバス案(Ver.0.1)が公開され、さらに2026年7月31日の更新でVer.0.2となり、科目A-2(専門知識)の出題範囲の細目が追加されました。
さらに2026年8月31日には、マネジメント試験とシステム試験の科目Bサンプル問題が公開されました。本サイトの公式サンプル問題ページで演習できます。
このページでは、公開済みの情報を「確定/検討中/準備中」に分類して整理するとともに、ITストラテジスト試験・システムアーキテクト試験・プロジェクトマネージャ試験をはじめとする現行高度試験との繋がりと違いをまとめています。
2026年10月3日時点のIPA公開情報をもとに作成
位置づけ
現行の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化したうえで内容を再編し、「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3つの試験区分を新設。DXやAI利活用を通じた新たな価値創造に向けた幅広いスキルを評価する。
試験時間・出題数
3区分共通で、科目A-1は90分・60問、科目A-2と科目Bを合わせて120分(科目A-2は23問、科目Bは12問)。
実施方式
全試験区分共通でCBT(Computer Based Testing)方式での実施予定。筆記式(マークシート・手書き論述)は行われない見込み。
開始時期
2027年度の夏頃から秋頃を予定。現行試験制度(応用情報・高度試験を含む)は2026年度の試験実施をもって終了する予定。
シラバス案(科目A-2・科目B)
マネジメント試験とシステム試験のシラバス案が2026年6月30日に公開(Ver.0.1・科目B)、2026年7月31日にVer.0.2へ更新され、科目A-2(専門知識)の出題範囲の細目が追加された。全区分共通の科目A-1(共通知識)のシラバス案 Ver.0.1 は、2026年9月30日に公開された(情報処理安全確保支援士試験と共通。重点分野は大分類6「セキュリティ」の4中分類)。データ・AI試験のシラバス案は準備中。IPAは「2026年度夏頃を目途に一通り公表する予定」としていたが、2026年10月3日時点でもデータ・AI試験の分は公開されていない(IPAのシラバス掲載ページの最終更新は2026年9月30日)。
免除制度
現行の高度試験と同等の免除制度(午前Ⅰ免除=2026年度からの名称では科目A-1免除に相当する仕組み)を設けることを検討中。経過措置として、現行の高度試験・情報処理安全確保支援士試験で一部科目の免除要件を満たした場合に、一定期間、新試験で一部科目を免除することも検討されている。
サンプル問題
2026年8月31日、マネジメント試験(4問)とシステム試験(6問)の科目Bサンプル問題が公開されました。いずれも長文の事例を読み、(一)(二)…の記述群から正しい組合せを選ぶ多肢選択形式です。本サイトの公式サンプル問題ページで演習できます(システム試験は図が必須の2問を除く4問を収録)。データ・AI試験のサンプル問題は引き続き準備中。
科目Bの出題形式
科目Bは12問。現行高度試験の午後Ⅱ(2026年度からの名称では科目B-2。論述式)とは大きく形式が変わる見込みで、2026年8月31日公開のサンプル問題はすべて多肢選択形式だった(記述式が併用されるかどうかは未公表)。
実施回数・実施期間
実施時期・期間の詳細は検討中。現行高度試験のような年1回実施になるかは未定。
正式名称
現時点では「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」。「仮称」が外れるタイミングは未発表。
サンプル問題
現時点で未公開。公開され次第、本サイトでもサンプル問題・オリジナル問題の演習ページを追加予定。
受験料・申込方法
現時点で公表情報なし。
| 観点 | 現行の応用情報・高度試験 | プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称) |
|---|---|---|
| 試験構成 | 午前Ⅰ(30問・50分)+午前Ⅱ(25問・40分)+午後Ⅰ(記述式)+午後Ⅱ(論述式または記述式)。応用情報は午前・午後の2部構成。2026年度(令和8年度)試験から科目名が「科目A-1/A-2/B-1/B-2」(応用情報は「科目A/B」、支援士は「科目A-1/A-2/B」)に変わるが、出題範囲・出題形式・問題数・試験時間は変わらない。 | 科目A-1(60問・90分)+科目A-2(23問)+科目B(12問)。科目A-2と科目Bを合わせて120分。 |
| 実施方式 | 2025年度(令和7年度)まではペーパー方式(筆記)。2026年度(令和8年度)は前期・後期ともCBT方式(身体の不自由等でCBT方式により受験できない方向けに、ペーパー方式の特別措置試験あり)。 | CBT方式で実施予定 |
| 論述式(午後Ⅱ/科目B-2) | ST・SA・PMなどは2時間の論述式が最大の関門。2025年度までは手書き、2026年度はCBT方式のためパソコンで解答する。 | 科目B(12問)に再編され、現行の論述式とは大きく形式が変わる見込み。詳細な出題形式は未公表。 |
| 免除制度 | 午前Ⅰ免除制度(2026年度からは科目A-1免除)。応用情報・高度試験・支援士試験の合格、または高度試験・支援士試験の午前Ⅰ(科目A-1)の基準点クリアから2年間。 | 現行と同等の免除制度を検討中。現行試験での免除要件を新試験へ引き継ぐ経過措置も検討されている。 |
| 実施回数 | 年1回(区分により春期または秋期。2026年度は前期または後期)/応用情報は年2回(2026年度は前期・後期) | 実施時期・期間は検討中 |
| 2026年度(令和8年度) | 申込受付期間 | 試験実施期間 |
|---|---|---|
| 前期|応用情報 | 2026年10月6日(火)10時~11月7日(土)17時 | 科目A:10月28日~11月10日 科目B:11月24日~12月6日 |
| 前期|高度(ST・SA・NW・SM)・支援士 | 2026年10月6日(火)10時~10月24日(土)17時 | 科目A-1・A-2:10月17日~10月27日 科目B-1・B-2(支援士は科目B):11月11日~11月23日 |
| 後期|応用情報 | 2027年1月27日(水)~2月16日(火) | 科目A:2月6日~2月19日 科目B:3月3日~3月15日 |
| 後期|高度(PM・DB・ES・AU)・支援士 | 2027年1月27日(水)~2月27日(土) | 科目A-1・A-2:2月20日~3月2日 科目B-1・B-2(支援士は科目B):3月16日~3月28日 |
前期・後期ともCBT方式で実施され、期間中に空席のある会場・日時を選んで予約します。前期・後期それぞれで申し込めるのは1区分・1回のみです。合格発表は前期試験が2027年2月頃、後期試験が2027年6月頃の予定。出典:IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」(2026年9月17日最終更新)。申込前に必ずIPA公式の最新情報をご確認ください。
2026年6月30日公開・7月31日更新のシラバス案(Ver.0.2)より要点を整理
現行ITストラテジスト試験の領域に、DX推進・イノベーション・デザイン思考といった価値創造寄りのスキルが加わった構成です。
現行ITサービスマネージャ試験のプロセス群がほぼ網羅的に引き継がれています。
現行プロジェクトマネージャ試験の骨格を保ちつつ、「不確実性」「価値創出」「変化への適応」が前面に出た構成です。
現行システム監査技術者試験の領域に、AIなど新技術の利活用に関する監査が明示的に加わっています。
2026年6月30日公開・7月31日更新のシラバス案(Ver.0.2)より要点を整理
現行システムアーキテクト試験の中核領域に、クラウドネイティブなアーキテクチャ設計のスキルが明示的に加わっています。
現行ネットワークスペシャリスト試験の領域が、クラウド前提の構成で再整理されています。
現行エンベデッドシステムスペシャリスト試験の領域に、ロボティクス・フィジカルAIという新しいテーマが加わっています。
応用情報技術者試験の開発分野に相当する内容に、AI駆動開発・SBOM・SREといった現代的な開発・運用の要素が加わっています。
2026年7月31日の更新(Ver.0.2)で追加された【目標とする知識(専門知識)】より要点を整理
現行のITストラテジスト試験には見られなかった、チェンジマネジメントや組織開発の理論が用語例レベルで明示されたのが特徴です。
現行ITストラテジスト試験の午前Ⅱに近い領域ですが、IPランドスケープやTCFD開示など、非財務情報・知財の観点が新しく入っています。
プロダクトマネジメント・グロース・ブランディングといった、従来の情報処理技術者試験ではあまり問われてこなかった領域がまとまって入ってきています。
現行ITサービスマネージャ試験の午前Ⅱ相当の用語がほぼそのまま引き継がれています。ここは既存の学習資産が活きる領域です。
「アウトプット」と「アウトカム」、「便益マネジメント」が用語例として明示されており、科目Bシラバス案の「価値の創出」という方向性と一貫しています。
現行システム監査技術者試験の領域に、AIガバナンスと第三者リスク管理が明示的に加わっています。
マネジメント区分でもセキュリティが専門知識として問われます。SCS評価制度やDORAなど、比較的新しい制度・法規が用語例に入っている点に注意が必要です。
「倫理・コンプライアンス」が独立した大分類として立てられ、AI規制(AI基本法・EU AI Act)が正面から入ってきたのが今回の大きな変化です。
2026年7月31日の更新(Ver.0.2)で追加された【目標とする知識(専門知識)】より要点を整理
マネジメント区分と共通の中分類ですが、システム区分では経営戦略そのものではなく「システムの要件を定義するために必要な範囲」に絞られています。
応用情報技術者試験の「企業と法務」「ビジネスインダストリ」に近い領域が、システム区分の専門知識として残っています。
現行のエンベデッドシステムスペシャリスト試験・応用情報技術者試験のテクノロジ系の知識が、この中分類に集約されています。
「クラウド」が独立した中分類として立った点が最大の変化です。FinOpsや6R(移行戦略)など、実務寄りのクラウド運用の語彙が明示されています。
現行ネットワークスペシャリスト試験の午前Ⅱ相当ですが、QUICやSameSite、ネットワークスライシングなど比較的新しい技術が用語例に含まれています。
データベーススペシャリスト試験は本来「データ・AI試験」側に対応するとみられますが、システム試験の専門知識としてもデータベースの基礎が残されています。
現行の応用情報技術者試験・システムアーキテクト試験の開発プロセス知識に、カナリアリリースやAIOpsなど運用寄りの現代的な語彙が加わっています。
「AI駆動開発」が小分類として立ち、バイブコーディングやエージェンティックコーディング、AIBOMといった直近の実務用語がそのまま用語例に入りました。今回のVer.0.2で最も新しさが際立つ部分です。
「AIセキュリティ」が独立した小分類として設けられ、プロンプトインジェクション対策が正式に出題範囲に入りました。