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プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)とは

このページについて

2027年度の新試験制度では、現行の応用情報技術者試験と高度試験が大括り化・再編され、「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」としてマネジメント/データ・AI/システムの3区分が新設されます。2026年6月30日には、このうちマネジメント試験とシステム試験の科目Bシラバス案(Ver.0.1)が公開され、さらに2026年7月31日の更新でVer.0.2となり、科目A-2(専門知識)の出題範囲の細目が追加されました。

さらに2026年8月31日には、マネジメント試験とシステム試験の科目Bサンプル問題が公開されました。本サイトの公式サンプル問題ページで演習できます。

このページでは、公開済みの情報を「確定/検討中/準備中」に分類して整理するとともに、ITストラテジスト試験・システムアーキテクト試験・プロジェクトマネージャ試験をはじめとする現行高度試験との繋がりと違いをまとめています。

01現時点でわかっている情報

2026年10月3日時点のIPA公開情報をもとに作成

位置づけ

現行の応用情報技術者試験と高度試験を大括り化したうえで内容を再編し、「マネジメント」「データ・AI」「システム」の3つの試験区分を新設。DXやAI利活用を通じた新たな価値創造に向けた幅広いスキルを評価する。

確定

試験時間・出題数

3区分共通で、科目A-1は90分・60問、科目A-2と科目Bを合わせて120分(科目A-2は23問、科目Bは12問)。

確定

実施方式

全試験区分共通でCBT(Computer Based Testing)方式での実施予定。筆記式(マークシート・手書き論述)は行われない見込み。

確定

開始時期

2027年度の夏頃から秋頃を予定。現行試験制度(応用情報・高度試験を含む)は2026年度の試験実施をもって終了する予定。

確定

シラバス案(科目A-2・科目B)

マネジメント試験とシステム試験のシラバス案が2026年6月30日に公開(Ver.0.1・科目B)、2026年7月31日にVer.0.2へ更新され、科目A-2(専門知識)の出題範囲の細目が追加された。全区分共通の科目A-1(共通知識)のシラバス案 Ver.0.1 は、2026年9月30日に公開された(情報処理安全確保支援士試験と共通。重点分野は大分類6「セキュリティ」の4中分類)。データ・AI試験のシラバス案は準備中。IPAは「2026年度夏頃を目途に一通り公表する予定」としていたが、2026年10月3日時点でもデータ・AI試験の分は公開されていない(IPAのシラバス掲載ページの最終更新は2026年9月30日)。

確定

免除制度

現行の高度試験と同等の免除制度(午前Ⅰ免除=2026年度からの名称では科目A-1免除に相当する仕組み)を設けることを検討中。経過措置として、現行の高度試験・情報処理安全確保支援士試験で一部科目の免除要件を満たした場合に、一定期間、新試験で一部科目を免除することも検討されている。

検討中

サンプル問題

2026年8月31日、マネジメント試験(4問)とシステム試験(6問)の科目Bサンプル問題が公開されました。いずれも長文の事例を読み、(一)(二)…の記述群から正しい組合せを選ぶ多肢選択形式です。本サイトの公式サンプル問題ページで演習できます(システム試験は図が必須の2問を除く4問を収録)。データ・AI試験のサンプル問題は引き続き準備中。

公開済み

科目Bの出題形式

科目Bは12問。現行高度試験の午後Ⅱ(2026年度からの名称では科目B-2。論述式)とは大きく形式が変わる見込みで、2026年8月31日公開のサンプル問題はすべて多肢選択形式だった(記述式が併用されるかどうかは未公表)。

検討中

実施回数・実施期間

実施時期・期間の詳細は検討中。現行高度試験のような年1回実施になるかは未定。

検討中

正式名称

現時点では「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)」。「仮称」が外れるタイミングは未発表。

検討中

サンプル問題

現時点で未公開。公開され次第、本サイトでもサンプル問題・オリジナル問題の演習ページを追加予定。

準備中

受験料・申込方法

現時点で公表情報なし。

準備中

02現行試験との対応・違い

現行試験区分から新試験3区分への対応関係フロー図 左に現行の応用情報・高度試験9区分、右に新試験3区分(マネジメント・システム・データAI)を配置し、対応関係を色分けした線で結ぶ図。 現行試験制度(応用情報・高度試験) 新試験制度(2027年度〜) ST ITストラテジスト SM ITサービスマネージャ PM プロジェクトマネージャ AU システム監査技術者 SA システムアーキテクト NW ネットワークスペシャリスト ES エンベデッドシステムスペシャリスト AP 応用情報技術者 DB データベーススペシャリスト マネジメント試験(仮称) 1 変革・デジタル戦略 2 サービスマネジメント 3 プロジェクトマネジメント 4 ガバナンス・監査 DX戦略・不確実性対応が追加 システム試験(仮称) 1 システムアーキテクチャ 2 ネットワーク 3 フィジカルコンピューティング 4 システムの開発・運用 クラウド・AI駆動開発が追加 データ・AI試験(仮称) シラバス案は準備中
注意:上図は本サイト独自の分析であり、IPAが公式に示した対応表ではありません。情報セキュリティ領域は情報処理安全確保支援士試験(一部変更のうえ継続)が引き続き担います。各大項目の詳しい内容はマネジメント試験・システム試験のシラバス案セクションを、知識面の出題範囲は科目A-2出題範囲のセクションをご覧ください。

03試験形式の違い(現行高度試験 vs 新試験)

観点 現行の応用情報・高度試験 プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)
試験構成 午前Ⅰ(30問・50分)+午前Ⅱ(25問・40分)+午後Ⅰ(記述式)+午後Ⅱ(論述式または記述式)。応用情報は午前・午後の2部構成。2026年度(令和8年度)試験から科目名が「科目A-1/A-2/B-1/B-2」(応用情報は「科目A/B」、支援士は「科目A-1/A-2/B」)に変わるが、出題範囲・出題形式・問題数・試験時間は変わらない。 科目A-1(60問・90分)+科目A-2(23問)+科目B(12問)。科目A-2と科目Bを合わせて120分。
実施方式 2025年度(令和7年度)まではペーパー方式(筆記)。2026年度(令和8年度)は前期・後期ともCBT方式(身体の不自由等でCBT方式により受験できない方向けに、ペーパー方式の特別措置試験あり)。 CBT方式で実施予定
論述式(午後Ⅱ/科目B-2) ST・SA・PMなどは2時間の論述式が最大の関門。2025年度までは手書き、2026年度はCBT方式のためパソコンで解答する。 科目B(12問)に再編され、現行の論述式とは大きく形式が変わる見込み。詳細な出題形式は未公表。
免除制度 午前Ⅰ免除制度(2026年度からは科目A-1免除)。応用情報・高度試験・支援士試験の合格、または高度試験・支援士試験の午前Ⅰ(科目A-1)の基準点クリアから2年間。 現行と同等の免除制度を検討中。現行試験での免除要件を新試験へ引き継ぐ経過措置も検討されている。
実施回数 年1回(区分により春期または秋期。2026年度は前期または後期)/応用情報は年2回(2026年度は前期・後期) 実施時期・期間は検討中
受験計画のポイント:現行制度は2026年度で終了予定のため、応用情報技術者・各高度試験を現行制度で取得したい場合、2026年度(令和8年度)の前期・後期試験が最後の受験機会になる見込みです。日程は下の表のとおりで、前期試験の申込受付は2026年10月6日(火)10時からです。現行試験の合格実績や午前Ⅰ(科目A-1)免除の実績は、新試験への経過措置(一部科目免除)の対象として検討されています。
2026年度(令和8年度) 申込受付期間 試験実施期間
前期|応用情報 2026年10月6日(火)10時~11月7日(土)17時 科目A:10月28日~11月10日
科目B:11月24日~12月6日
前期|高度(ST・SA・NW・SM)・支援士 2026年10月6日(火)10時~10月24日(土)17時 科目A-1・A-2:10月17日~10月27日
科目B-1・B-2(支援士は科目B):11月11日~11月23日
後期|応用情報 2027年1月27日(水)~2月16日(火) 科目A:2月6日~2月19日
科目B:3月3日~3月15日
後期|高度(PM・DB・ES・AU)・支援士 2027年1月27日(水)~2月27日(土) 科目A-1・A-2:2月20日~3月2日
科目B-1・B-2(支援士は科目B):3月16日~3月28日

前期・後期ともCBT方式で実施され、期間中に空席のある会場・日時を選んで予約します。前期・後期それぞれで申し込めるのは1区分・1回のみです。合格発表は前期試験が2027年2月頃、後期試験が2027年6月頃の予定。出典:IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」(2026年9月17日最終更新)。申込前に必ずIPA公式の最新情報をご確認ください。

04マネジメント試験 科目Bシラバス案の中身

2026年6月30日公開・7月31日更新のシラバス案(Ver.0.2)より要点を整理

大項目1:組織及びビジネスの変革・デジタル戦略 ST相当
  • 外部環境(社会・市場・テクノロジ・法律・地政学など)と内部環境、ステークホルダのニーズの分析・把握
  • あるべき姿かつ経営戦略と整合するビジネスモデルの策定、ビジネスプロセスの設計(BPR、定量的な改善目標・成功基準の設定を含む)
  • ポートフォリオ・プログラムのマネジメント、KGI/KPIの設定、マーケティング、顧客エンゲージメント(CX向上)の活用
  • イノベーションマネジメントの実践、PoCによる技術・ビジネスの実現性評価、失敗を許容する組織文化の醸成
  • システム思考・デザイン思考を活用した事業戦略立案と、経営課題の解決・デジタル戦略の実現への展開

現行ITストラテジスト試験の領域に、DX推進・イノベーション・デザイン思考といった価値創造寄りのスキルが加わった構成です。

大項目2:サービスマネジメント SM相当
  • 事業関係管理、サービスレベル管理、供給者管理、サービスカタログ・サービスポートフォリオ管理、サービスの報告、継続的改善
  • 変更管理、サービスの設計及び移行、リリース及び展開管理、資産管理、構成管理、予算業務・会計業務、需要管理、容量・能力管理
  • サービスデスク、インシデント管理、サービス要求管理、問題管理、監視・測定・分析及び評価
  • サービス可用性管理、サービス継続管理

現行ITサービスマネージャ試験のプロセス群がほぼ網羅的に引き継がれています。

大項目3:プロジェクトマネジメント PM相当
  • 環境変化への適応、不確実性への対応、価値の創出に関するプロジェクトマネジメント(アウトプットとアウトカムの整合)
  • プロジェクトガバナンスの確立、チーム編成、メンバーの育成・評価、多様性の受容、ステークホルダエンゲージメント
  • 立ち上げ・計画・実行・管理・終結のプロセス(スコープ、スケジュール、財務、品質、リスク、変更、課題、情報の各マネジメント)

現行プロジェクトマネージャ試験の骨格を保ちつつ、「不確実性」「価値創出」「変化への適応」が前面に出た構成です。

大項目4:組織のガバナンス・監査 AU相当
  • 組織のガバナンス、マネジメント、内部統制の構築と運用に関する助言・支援
  • デジタル環境およびその企画・開発・導入・運用・保守・利用などのプロセスに関する監査の実施・報告(個別監査計画の策定から改善のフォローアップまで)
  • 情報セキュリティ、新技術(AIほか)の利活用などに関する監査の実施・報告

現行システム監査技術者試験の領域に、AIなど新技術の利活用に関する監査が明示的に加わっています。

05システム試験 科目Bシラバス案の中身

2026年6月30日公開・7月31日更新のシラバス案(Ver.0.2)より要点を整理

大項目1:システムアーキテクチャ SA相当
  • デジタル戦略・業務モデリング・ニーズ分析を踏まえた業務要件の定義、システム化計画の立案
  • 機能要件の定義(データ構造の設計、業務モデル・データモデルの定義を含む)と非機能要件の定義(性能・品質・セキュリティなど)
  • クラウドサービスの活用、マイクロサービス化、仮想化、マイグレーションなどを考慮したシステムアーキテクチャ設計(モダナイゼーション提案、クラウドリフト・クラウドシフトの合意形成を含む)
  • IoTを含む組込み・制御システムにおける、ハードウェア・ソフトウェア間のトレードオフやセーフティ・高信頼性を考慮したアーキテクチャ設計

現行システムアーキテクト試験の中核領域に、クラウドネイティブなアーキテクチャ設計のスキルが明示的に加わっています。

大項目2:ネットワーク NW相当
  • 通信方式・プロトコル・アドレッシング・通信規格・VPN・仮想化技術・ネットワークセキュリティ技術(境界防御とゼロトラスト)などのネットワーク関連技術の適用
  • インターネット・クラウドサービス・各種ネットワークサービスとオンプレミスを組み合わせたネットワーク基盤の設計(冗長化を含む)・構築・導入
  • ネットワーク基盤の運用、トラブル対応(原因特定・対処)、保守および改善

現行ネットワークスペシャリスト試験の領域が、クラウド前提の構成で再整理されています。

大項目3:フィジカルコンピューティング ES相当
  • IoTを含む組込みシステム・制御システムのソフトウェア設計(リアルタイム処理、競合制御、省電力制御など)
  • ハードウェア設計(センサー・アクチュエーターの活用、ハードウェア・ソフトウェア分割とインタフェース設計)
  • 要素技術・デバイスの選定・調達・導入。ロボティクスやフィジカルAIの技術理解と導入検討を含む

現行エンベデッドシステムスペシャリスト試験の領域に、ロボティクス・フィジカルAIという新しいテーマが加わっています。

大項目4:システムの開発・運用 AP開発分野+新要素
  • システム・ソフトウェアの設計・実装・インテグレーション(オブジェクト指向、デザインパターン、レビューを含む)
  • テストの計画と実施、結果の分析、品質評価
  • システム開発手法の適用(アジャイル開発、CI/CD、DevSecOps、AI駆動開発などの取捨選択・テーラリング)
  • 開発プラットフォーム(PaaS、Git、SBOMなど)の活用、システムの運用管理、インフラストラクチャの管理、SRE(サイト信頼性エンジニアリング)

応用情報技術者試験の開発分野に相当する内容に、AI駆動開発・SBOM・SREといった現代的な開発・運用の要素が加わっています。

データ・AI試験は依然として準備中:3区分のうち「プロフェッショナルデジタルスキル(データ・AI)試験(仮称)」は、シラバス案(科目B・科目A-2とも)とサンプル問題のいずれも未公開のままです。2026年8月31日・9月30日の更新でも、この区分だけは追加がありませんでした。公開され次第、本ページに追記します。

06マネジメント試験 科目A-2出題範囲(専門知識)

2026年7月31日の更新(Ver.0.2)で追加された【目標とする知識(専門知識)】より要点を整理

ここが2026年7月31日に追加された部分です:科目Aは、全区分共通の科目A-1(共通知識・60問/90分)と、区分ごとの科目A-2(専門知識・23問)に分かれます。今回のVer.0.2で公開されたのは後者の科目A-2の細目で、科目A-1のシラバス案は「プロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)及び情報処理安全確保支援士試験 科目A-1(共通知識)シラバス(案)Ver.0.1」として2026年9月30日に別途公開されました。重点分野は大分類6「セキュリティ」の4中分類(23〜26)で、その他の分野は中分類7「マインド・スタンス」を除く25中分類です。以下は用語例のうち特徴的なものを本サイトが抜粋・整理したもので、シラバス案の全量ではありません。
大分類1:ビジネス変革 / 中分類1:ビジネス変革の方法論 新規色が濃い
  • 社会変化の動向:コーポレートトランスフォーメーション(CX)、グリーントランスフォーメーション(GX)、AIトランスフォーメーション(AX)
  • イノベーションマネジメント:イノベーションマネジメントシステム、JIS Q 56002(ISO 56002)、不確実性及びリスクのマネジメント、イノベーションのプロセス(機会の特定→コンセプトの創造→検証→ソリューションの開発・導入)
  • イノベーション戦略:イノベーションの5類型、ラディカルイノベーション、イノベーションエコシステム、規制のサンドボックス制度、グレーゾーン解消制度
  • 変革活動のマネジメント:ADKARモデル、トランジションモデル、レビンの組織変革プロセス(解凍・変革・再凍結)、コッターの8段階プロセス
  • デザインの考え方を用いた組織のマネジメント:デザイン経営、バウンダリーオブジェクト、CoE(Center of Excellence)、学習する組織、5つのディシプリン

現行のITストラテジスト試験には見られなかった、チェンジマネジメントや組織開発の理論が用語例レベルで明示されたのが特徴です。

大分類1:ビジネス変革 / 中分類2:経営戦略・デジタル戦略 ST相当
  • 経営戦略の策定:MVV、ダイナミックケイパビリティ、コ・クリエーション戦略、IPランドスケープ、サーキュラーエコノミー、TCFD開示
  • ビジネス戦略の策定:ファイブフォース分析、SWOT分析、クロスSWOT分析、VRIO分析、バリューチェーン分析、競争の基本戦略、ESG投資
  • デジタル戦略:DX戦略、DX経営に求められる3つの視点・5つの柱、DX推進指標、DX認定制度
  • 情報システム戦略・システム化計画:ITガバナンス、To-beモデル、投資の意思決定法(PBP法、DCF法)、情報システム導入リスク分析
  • 調達計画・実施:定額契約、実費償還契約、タイムアンドマテリアル契約、レベニューシェア、サブライセンス、グラントバック
  • エンタープライズアーキテクチャ:ザックマンフレームワーク、TOGAF、ビジネス/データ/アプリケーション/テクノロジの各アーキテクチャ

現行ITストラテジスト試験の午前Ⅱに近い領域ですが、IPランドスケープやTCFD開示など、非財務情報・知財の観点が新しく入っています。

大分類1:ビジネス変革 / 中分類3:ビジネスモデル・ビジネスプロセス ST相当
  • ビジネス調査・分析:PEST分析、STP分析、コンジョイント分析、エスノグラフィー調査、RFM分析、パーチェスファネル
  • ビジネスモデル・プロセス:ビジネスモデルキャンバス、リーンキャンバス、ECRSの原則、SECIモデル、制約条件理論(TOC)
  • プロダクトのマネジメント:MRD、PRD、PSF、PMF、優先順位付手法(RICE、ICE、MoSCoW、Kano)
  • マーケティング:LTV、グロースループ、アトリビューションモデル、CVR/CPM/CPA/ROAS
  • ブランディング:ブランドパーパス、カテゴリーエントリーポイント、ブランドセーフティ、ソーシャルリスニング

プロダクトマネジメント・グロース・ブランディングといった、従来の情報処理技術者試験ではあまり問われてこなかった領域がまとまって入ってきています。

大分類1:ビジネス変革 / 中分類4:サービスマネジメント SM相当
  • サービスマネジメントの目的と考え方:SLA、サービスポートフォリオ、サービスライフサイクルの段階、JIS Q 20000の規格群
  • 設計・構築・移行:変更要求(RFC)、変更のカテゴリー、継続的インテグレーション/デリバリー/デプロイ、構成品目(CI)、CMDB、TCO
  • サービス要求の実現:SPOC、フォロー・ザ・サン、エスカレーション、スウォーミング、既知の誤り、ワークアラウンド
  • サービスの保証:MTBF、MTTR、MTBSI、MTRS、ビジネス・インパクト分析(BIA)、RTO/RPO/RLO

現行ITサービスマネージャ試験の午前Ⅱ相当の用語がほぼそのまま引き継がれています。ここは既存の学習資産が活きる領域です。

大分類1:ビジネス変革 / 中分類5:プロジェクトマネジメント PM相当
  • プロジェクトマネジメントの目的と考え方:アウトプットとアウトカム、便益、プロジェクトガバナンス、ビジネスケース、テーラリング
  • 統合されたプロジェクトマネジメントの実施要領:プロジェクト前の活動/監督/指示/開始/管理/提供のマネジメント/終結又は打ち切り終結/プロジェクト後の活動
  • マネジメント実施要領:便益マネジメント、スコープ、資源、スケジュール、コスト、リスク、課題、変更、品質、ステークホルダの関与、コミュニケーション、組織及び社会の変化のマネジメント

「アウトプット」と「アウトカム」、「便益マネジメント」が用語例として明示されており、科目Bシラバス案の「価値の創出」という方向性と一貫しています。

大分類3:組織活動 / 中分類12:ガバナンス・監査 AU相当
  • コーポレートガバナンス:スチュワードシップ・コード、ERM(全社的リスクマネジメント)、ESG
  • 内部統制・デジタルガバナンス:J-SOX、内部統制の基本的要素、3つのラインモデル、JIS Q 38500、COBIT、COSO内部統制フレームワーク、システム管理基準、AIガバナンス、外部委託管理(第三者リスク)
  • 監査の形態:システム監査、情報セキュリティ監査、コンプライアンス監査、統制自己評価(CSA)、継続的監査・継続的モニタリング
  • 監査の実施:チェックリスト法、ウォークスルー法、突合・照合法、統計的サンプリング、コンピュータ支援監査技法(CAAT)、監査証跡、監査調書

現行システム監査技術者試験の領域に、AIガバナンスと第三者リスク管理が明示的に加わっています。

大分類6:セキュリティ / 中分類24:情報セキュリティマネジメント SG相当
  • 考え方:機密性・完全性・可用性・真正性・責任追跡性・否認防止・信頼性
  • マネジメント:JIS Q 31000、need-to-knowの原則、クラウドサービスの責任共有モデル、サイバーハイジーン
  • リスクマネジメント:サプライチェーンリスク、地政学的リスク、リスク忌避・リスク選好、リスクファイナンシング、サイバー保険
  • ISMS・管理策:JIS Q 27014、JIS Q 27017、脅威インテリジェンス、レッドチーム演習、UBA/UEBA、アンチパスバック
  • 制度:サイバーセキュリティ経営ガイドライン、SCS評価制度、DORA(デジタルオペレーショナルレジリエンス法)

マネジメント区分でもセキュリティが専門知識として問われます。SCS評価制度やDORAなど、比較的新しい制度・法規が用語例に入っている点に注意が必要です。

大分類7:倫理・コンプライアンス / 中分類28:ビジネス関連法規 新設の大分類
  • 知的財産権:パリ条約、ベルヌ条約、PCT、TRIPS、WIPO、著作者人格権と著作財産権、ソフトウェア特許、日本版バイドール制度
  • 不正競争防止法:営業秘密の3要件(秘密管理性・有用性・非公知性)、限定提供データの3要件
  • 労働関連法規:偽装請負・二重派遣の禁止、フリーランス・事業者間取引適正化等法
  • 取引関連法規:準委任契約と請負契約、特定デジタルプラットフォーム透明化法、NDA
  • その他デジタル関連法規:デジタル社会形成基本法、ベースレジストリ、AI基本法、EU AI Act、情報流通プラットフォーム対処法

「倫理・コンプライアンス」が独立した大分類として立てられ、AI規制(AI基本法・EU AI Act)が正面から入ってきたのが今回の大きな変化です。

07システム試験 科目A-2出題範囲(専門知識)

2026年7月31日の更新(Ver.0.2)で追加された【目標とする知識(専門知識)】より要点を整理

大分類1:ビジネス変革 / 中分類2:経営戦略・デジタル戦略 SA相当
  • デジタル戦略:DX戦略、データの有効活用、最新技術の活用(生成AIなど)、DX経営に求められる3つの視点・5つの柱
  • 情報システム戦略・システム化計画:ITガバナンス、To-beモデル、投資の意思決定法(PBP法、DCF法)、情報システム導入リスク分析
  • 要件定義:業務/機能/非機能要件定義、性能要件、要件定義の手法(DFD、UML、DOA、イベントストーミング)
  • エンタープライズアーキテクチャ:ザックマンフレームワーク、TOGAF

マネジメント区分と共通の中分類ですが、システム区分では経営戦略そのものではなく「システムの要件を定義するために必要な範囲」に絞られています。

大分類4:デジタル技術 / 中分類13:デジタルサービス・デジタルツール AP相当
  • ビジネスシステム:ECR、HCM、EAM、WMS、TMS、エンタープライズサーチ、デジタルガバメント、ガバメントクラウド
  • エンジニアリングシステム:かんばん方式、リーン生産方式、MRP、FMS、MES、BIM/CIM、PDM
  • ECシステム:組み込み型金融(Embedded Finance)、EFT、暗号資産、CBDC、電子記録債権
  • 組織のデジタル環境:デジタルワークプレイス、ワークフローシステム、CMS

応用情報技術者試験の「企業と法務」「ビジネスインダストリ」に近い領域が、システム区分の専門知識として残っています。

大分類4:デジタル技術 / 中分類14:システムの種類・構成 ES/AP相当
  • サイバーフィジカルシステム:CPS、デジタルツイン、アセット管理シェル、エッジコンピューティング、エッジAI
  • IoT・組込みシステム:VPP、AMR/AGV、PLC、マシンビジョン、ADAS、V2V、CAN、SLAM、RTK測位
  • コンピュータ構成要素:スーパースカラ、マルチコア/ヘテロジニアスマルチコア、セットアソシエイティブ方式、ウェアレベリング
  • システム構成要素:シェアードエブリシング/シェアードナッシング、HPC、フォールトトレラントシステム、RASIS

現行のエンベデッドシステムスペシャリスト試験・応用情報技術者試験のテクノロジ系の知識が、この中分類に集約されています。

大分類4:デジタル技術 / 中分類15:クラウド 新設の中分類
  • クラウドサービスの特徴:XaaS、パブリック/コミュニティ/ハイブリッドクラウド、マネージドモデル、共有責任モデル、リージョン
  • 可用性・継続性:アベイラビリティゾーン(AZ)、マルチAZ構成、マルチリージョン構成、クロスリージョンレプリケーション(CRR)、RTO/RPO/RLO
  • コスト管理:従量課金、リザーブド利用(RI)、スポット型利用、ライトサイジング、ストレージ階層化、FinOps、クラウドポータビリティ
  • クラウド移行:Rehost/Replatform/Refactor/Retain/Retire、モダナイゼーション、ランディングゾーン
  • 基盤技術:サーバ/ネットワーク/ストレージ仮想化、コンテナイメージ・レジストリ、IaC、Policy as Code、Xen・KVM・Ceph・Docker・Kubernetes・OpenStack

「クラウド」が独立した中分類として立った点が最大の変化です。FinOpsや6R(移行戦略)など、実務寄りのクラウド運用の語彙が明示されています。

大分類4:デジタル技術 / 中分類16:ネットワーク NW相当
  • データ通信と制御:OSI基本参照モデル、WDM、TDMA/CDMA/OFDMA、リンクアグリゲーション、L2/L3スイッチ、VRRP
  • 通信プロトコル:ARP、IPoE、IEEE 802.1Q、ICMPv6、NDP、IPv4/IPv6共存技術、TCP、QUIC、HTTP、DNS、DHCP、OSPF、RIP
  • ネットワーク応用:cookie、SameSite、CORS、REST、GraphQL、IP-VPN、広域Ethernet、マルチホーミング
  • モバイル・IoT通信:ネットワークスライシング、eSIM、SA/NSA方式、RAN、LPWA(LTE-M、NB-IoT、Wi-SUN、LoRaWAN)
  • ネットワーク管理:VXLAN、syslog、IPFIX、SNMP(MIB)、DNSラウンドロビン

現行ネットワークスペシャリスト試験の午前Ⅱ相当ですが、QUICやSameSite、ネットワークスライシングなど比較的新しい技術が用語例に含まれています。

大分類4:デジタル技術 / 中分類17:データベース DB相当
  • データベース方式:データアーキテクチャ、3層スキーマアーキテクチャ、関係モデル、グラフ型のデータモデル
  • データベース設計:概念/論理データモデル、一貫性制約(一意性制約・参照制約・検査制約)、正規化、性能評価・チューニング
  • データ操作:集合演算、関係演算、DDL などのデータベース言語

データベーススペシャリスト試験は本来「データ・AI試験」側に対応するとみられますが、システム試験の専門知識としてもデータベースの基礎が残されています。

大分類5:システムの開発・運用 / 中分類20:システムライフサイクルプロセス SA/AP相当
  • 開発プロセスの概要:SLCP、JIS X 0170/0160、プロセス修整(Tailoring)、システムズエンジニアリング、JIS X 33001/33020
  • 要件定義:CRUDマトリクス、双方向のトレーサビリティ、アシュアランスケース、トレーサビリティマトリクス
  • 設計:マイクロサービスアーキテクチャ、サービスメッシュ、サーバレスアーキテクチャ、JIS X 25010/25019、レビュー技法
  • 実装・テスト:サイクロマティック複雑度、静的解析、判定条件網羅、ミューテーションテスト、ファジング、探索的テスト
  • 導入・受入れ:カナリアリリース、ブルーグリーンデプロイメント、一斉移行・段階移行、カークパトリックの4段階モデル
  • 運用・保守:AIOps、是正/改良/予防/適応/完全化保守、FTA、FMEA、STAMP/STPA

現行の応用情報技術者試験・システムアーキテクト試験の開発プロセス知識に、カナリアリリースやAIOpsなど運用寄りの現代的な語彙が加わっています。

大分類5:システムの開発・運用 / 中分類21:開発・運用の方法論 AI駆動開発を新規収録
  • 開発手法:ウォーターフォール、プロトタイピング、アジャイル、DevOps、MLOps
  • アジャイル開発:FDD、TDD、インセプションデッキ、INVEST、ベロシティ、KPT、SAFe/LeSS/Scrum of Scrums、XPの5つの価値、スクラムの各イベント
  • DevOps:シフトレフト、ポストモーテム、CALMSフレームワーク、SRE、エラーバジェット、カオスエンジニアリング、DORAメトリクス/Four Keys、オブザーバビリティ、OpenTelemetry、GitOps、トランクベース開発、DevSecOps
  • 設計手法:クリーンアーキテクチャ、ヘキサゴナルアーキテクチャ、CQRS、SOLID原則、ドメイン駆動設計(DDD)、ユビキタス言語
  • UI設計:インタラクションデザイン、シグニファイア、アフォーダンス、オブジェクト指向UI(OOUI)
  • 開発プラットフォーム:SCM、ステージング環境、SBOM、Git、SonarQube、OSSライセンシング
  • AI駆動開発:バイブコーディング、エージェンティックコーディング、仕様駆動開発(SDD)、Mermaid記法、Lintチェックの導入
  • AI開発プロジェクト:MLOps、LLMOps、AIBOM、AI事業者ガイドライン(AI開発者に関する事項)、CRISP-DM/CRISP-ML
  • フィジカルコンピューティング:DFT/FFT、PWM制御、FPGA/SoC、MEMS、エネルギーハーベスティング、DVFS
  • フィジカルAI:世界モデル(World Models)、ロボット基盤モデル(VLA、VLM)、Sim to Real Gap、安全強化学習

「AI駆動開発」が小分類として立ち、バイブコーディングやエージェンティックコーディング、AIBOMといった直近の実務用語がそのまま用語例に入りました。今回のVer.0.2で最も新しさが際立つ部分です。

大分類6:セキュリティ / 中分類26:セキュリティ実装技術・評価 SC相当
  • セキュアプロトコル:IPsec、TLS、SSH、HTTPS、QUIC、WPA2/WPA3、Enhanced Open
  • 認証・認可技術:SPF/DKIM/DMARC、OAuth、DNSSEC、IEEE 802.1X、EAP-TLS、PEAP
  • OS・ネットワーク:強制アクセス制御(MAC)、ロールベースアクセス制御(RBAC)、トラステッドOS、ステートフルパケットフィルタリング、認証VLAN、リバースプロキシ
  • AIセキュリティ:プロンプトインジェクション対策、LLMの脅威への対策、AIのセキュリティ確保のための技術的対策に係るガイドライン
  • アプリケーションセキュリティ:SAST、DAST、ファジング、コンテナセキュリティ、Same Origin Policy、CORS、HSTS
  • 評価基準・脆弱性評価:JCMVP、耐タンパ性、CSMS、JVN、CVSS、CVE、CWE、SCAP、ペネトレーションテスト

「AIセキュリティ」が独立した小分類として設けられ、プロンプトインジェクション対策が正式に出題範囲に入りました。

注意:各項目の末尾のコメントおよび現行試験区分との対応づけ(ST相当・NW相当など)は本サイト独自の整理であり、IPAが示したものではありません。用語例は分量が多いため代表的なものを抜粋しています。正確な内容は必ず出典のIPA公式PDFをご確認ください。

08出典・参考リンク