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ITパスポート試験で
出題範囲から外れるもの

このページについて

新シラバス案の話題では「データマネジメントが増える」「AIが増える」という追加側ばかりが注目されます。ただ、いま勉強している人にとって切実なのは、たぶん逆側です。

「アルゴリズムは、もう勉強しなくていいのか」

結論から書きます。2026年8月31日公開のシラバス案 Ver.0.1 では、アルゴリズム・プログラミングはITパスポート試験の出題範囲から外れています。システム開発技術も同様です。このページでは、何がどこまで外れるのかを、根拠と限界つきで整理します。

ただし新シラバスに基づく試験がいつから実施されるかは確定していません。現行シラバスで受験する予定の方には、いまのところ関係のない話です。またシラバス案はVer.0.1であり、確定版で変わる可能性があります。

01範囲外になる4つの中分類

「出題範囲等の改定案 Ver.1.0」および「シラバス(案)Ver.0.1」より

新体系の30中分類のうち、ITパスポート試験の出題範囲は26です。範囲外とされているのは次の4つです。

範囲外の中分類 大分類 現行シラバスでいうと
20 システムライフサイクルプロセス 5 システムの開発・運用 8 システム開発技術
21 開発・運用の方法論 5 システムの開発・運用 9 ソフトウェア開発管理技術
22 アルゴリズム・プログラミング 5 システムの開発・運用 14 アルゴリズムとプログラミング
26 セキュリティ実装技術・評価 6 セキュリティ 23 セキュリティ の一部

大分類5「システムの開発・運用」は、3つの中分類がまるごと範囲外です。つまりITパスポート試験から「システムを作る側の話」が一つの塊として抜けます。現行では大分類4「開発技術」と大分類7「基礎理論」に分かれていた内容が、新体系ではここに集約されたうえで、ITパスポートの対象外になった形です。

なお改定案の同じ表を見ると、これらの中分類には他の試験区分で◎(重点分野)の印が付いています。ITパスポートで問われなくなるだけで、情報処理技術者試験全体から消えるわけではありません。(どの区分の欄かは表のレイアウト上、本サイトでは断定していません。)

02シラバス案の本文に、そもそも載っていない

シラバス案 Ver.0.1(全22ページ)の全文を検索した結果

「範囲外」は表の上の話だけではありません。シラバス案 Ver.0.1 の本文そのものに、これらの中分類は見出しごと存在しません。掲載されている中分類の見出しはちょうど26個で、上の4つには小分類・項目・用語例が一切示されていません。

さらに、現行の「基礎理論」に含まれる語をシラバス案の全文から検索すると、次のようになります。

検索した語 シラバス案 Ver.0.1 での出現回数
2進数、基数、論理演算、ベン図、集合、情報量 すべて0回
アルゴリズム、擬似言語、プログラミング、変数、配列 すべて0回
待ち行列、スクラム、ウォータフォール すべて0回
確率、順列、組合せ、回帰分析 各1回(中分類9「データ分析・データ利活用」の統計的手法として)
フローチャート 1回(中分類3の「業務プロセスの可視化」としてBPMN・E-Rモデルと並記)

フローチャートの扱いが、この改訂の性格をよく表しています。「アルゴリズムを書き表す道具」としては消え、「業務プロセスを可視化する道具」として残りました。同じ言葉でも、置かれる文脈が作る側から使う側へ移っています。この読み取りは本サイトの解釈です。

03「絶対に出ない」と言えるのか

ここは正直に線を引いておきます。確実に言えることと、そうでないことがあります。

確実に言えること

中分類20・21・22・26は、改定案の表でITパスポート試験の出題範囲に含まれていません。シラバス案にも見出しごと存在しません。中分類として出題されないことは、公表資料から確認できます。

確定

言い切れないこと

シラバスの「用語例」は、出題される内容をすべて列挙したものではありません。したがって「用語例に載っていない=絶対に出題されない」とまでは言えません。2進数や論理演算が範囲外の中分類に属していた以上その可能性は低いと考えますが、これは本サイトの推測です。

推測

まだ分からないこと

新シラバスに基づく試験の開始時期、移行方法、試験時間・出題数について、本サイトが確認できた公表情報はありません。いつから「アルゴリズムを捨ててよい」のかは、現時点では決められません。

未公表

04いま勉強している人はどうすればいいか

以下はすべて本サイトの考えです

現行シラバスで近いうちに受験する人

いまの教材のまま、アルゴリズムも含めて勉強を続けてください。新シラバスの開始時期は未公表で、現行のシラバスVer.6.5では引き続き出題範囲です。範囲外になる話は、受験後に気にすれば足ります。

新試験を待つか迷っている人

開始時期が未公表である以上、待つ判断にはリスクがあります。また範囲外になる分と引き換えに、データマネジメント・データ分析・AI利活用・AI技術・情報倫理・マインド・スタンスが新しく入ります。減った分だけ楽になる、という改訂ではありません。

この先で上位区分も考えている人

アルゴリズムとシステム開発は、上位区分では引き続き重点的に扱われます。ITパスポートで問われないことと、この先いらないことは別です。無駄になる勉強ではありません。

05代わりに入ってくるもの

範囲外になる4中分類と入れ替わるように、現行に対応するものがない中分類が立ち上がっています。

新しく入る中分類 ひとことで
7 マインド・スタンス知識ではなく、行動・姿勢を問う
8 データマネジメントデータを使える状態に整える
9 データ分析・データ利活用整ったデータを読む
10 AI利活用AIを業務で使う
15 クラウドクラウドサービスと仮想化
18 AI技術AIの入力・処理・出力の概要
27 情報倫理・AI倫理安心・安全に使うための考え方
6 デザインのアプローチ利用者視点で課題と価値を捉える

入ってくる側は、現行の参考書に対応する章がありません。
本サイトでは、新しく入る分野を先に整理しています。

データマネジメント対策を読む 新しく入った用語を見る

現行23中分類の行き先を1つずつ見る(新旧シラバス対応表) / ITパスポート試験はこう変わる

06出典